手ぶくろを買いに 新美南吉
作:新美南吉  絵:黒井健  偕成社
絵本ナビicon25 「手ぶくろを買いに」

こぎつねの体験に
ホッと胸を撫で下ろします。
出会った人間が、あの帽子屋さんで良かった。
帽子屋さん、ありがとう。
世の中そんな甘いもんじゃないとか
痛い目にあったほうが色々経験できていいんだとか
優しいだけじゃ後でたいへんな事になるとか
そんな事ないと思います。
そんなことだけじゃ、
子供は育たないと思っています。

帰る場所がある
守ってくれる大人がいる
信じられる人が居る
その安心感が
荒波にもまれても乗り越えられる
冒険してみようと思える
逞しさに繋がるのだと思っています




私たちは 人間

新美南吉の眼差し

こぎつねの行動

お母さんぎつねのとまどい

帽子屋さんの思い

こぎつねが感じたこと



新美南吉の中でも

ホッとできる作品






『手ぶくろを買いに』
~序章~

寒い冬が北方から、狐の親子の棲んでいる森へもやって来ました。
或朝洞穴(あるあさほらあな)から子供の狐が出ようとしましたが
「あっ。」と叫んで目を抑えながら母さん狐のところへころげて来ました。
「母ちゃん、眼に何か刺さった、ぬいて頂戴早く早く。」と言いました。
母さん狐がびっくりして、あわてふためきながら、眼を抑えている子供の
手を恐る恐るとりのけて見ましたが、何も刺さってはいませんでした。
母さん狐は洞穴の入口から外へ出て初めて訳が解りました。
昨晩のうちに真白な雪がどっさりと降ったのです。
その雪の上からお陽さまがキラキラと照らしていたので、
雪は眩しいほど反射していたのです。
雪を知らなかった子供の狐は、あまり強い反射をうけたので、
眼に何か刺さったと思ったのでした。


子供の狐は遊びに行きました。
真綿のように柔かい雪の上を駈け廻ると、
雪の粉がしぶきのように飛び散って小さい虹がすっと映るのでした。





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Posted by いずみ♪ at 14:28│Comments(2)絵本
この記事へのコメント
教科書で読んだ
新美南吉の物語ですね

子供のころはたいした意味も考えず勉強とした読んでいましたけど

親になり、純粋に温かさを感じる
物語だったなと思い出します。

残しつつ、語り続けたい
人の温かい想い・・・・

大切な1ページですね
ありがとうございます
Posted by はるみっちゅはるみっちゅ at 2008年12月17日 16:09
はるみっちゅ さま
こんばんは。
その時々で、その時々なりの思いがありますね。
新美南吉さんご自身は、幼少時に家族と離れて生活するなど、辛い思いをしながら成長されたようです。記念館のHPに、その頃の記録が掲載されておりました。
彼の作品には、押し付けでない穏やかな、けれど奥深いメッセージが流れている様に思います。
Posted by いずみいずみ at 2008年12月17日 21:49
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